シングルマザーの就業率がどれくらいか知っていますか?
シングルマザーの就業率は81.8%
そのうち正社員44.2%、パート・アルバイト43.8%、自営業3.4%
シングルパパの就業率は85.4%
そのうち正社員68.2%、パート・アルバイト6.4%、自営業18.2%
シングルマザーの平均年収は243万円
シングルパパの平均年収は420万円
※平成30年12月25日 厚生労働省「平成29年度 母子家庭の母及び父子家庭の父の自立支援施策の実施状況」より
子供を持つ家庭としては厳しい生活状況がわかります。
私は管理栄養士の資格を持ち、その資格で給料をもらってます。
資格なんてシングルマザーが取れるわけないって思ってませんか?
取れます。もちろんあなたのやる気次第です。
例えば看護師の資格を取得すれば生活が安定するのは想像がつきますよね?
5つの支援を利用して今の生活から抜け出すチャンスを掴みませんか?
シングルマザーが資格を取得するための5つの支援
まず一番初めに頭に浮かぶのは、「時間がない、学費や資格を取るための資金がない、学校へ行ったら給料がなくなって生活できない・・・」等ではないでしょうか?
その不安を解消できる制度が日本にはあります。
それが以下の5つの支援制度です。
- 自立支援教育訓練給付金制度(母子家庭の特別対策)
- 教育訓練給付金制度(一般教育訓練給付金・専門実践教育訓練給付金)
- 教育訓練支援給付金制度
- 高等職業訓練促進給付金制度
- 母子寡婦福祉貸付制度
大まかに言うと①と②が資格取得の勉強をするための受講費用の支援制度。③と④が受講中の生活費の支援制度です。
この5つの制度について詳しく説明していきます。
資格取得支援:自立支援教育訓練給付金制度
シングルマザー(パパ)が「資格をとるための勉強をしたい」。でも資格をとるためには学校に行ったり講習を受ける必要があり、お金が掛かります。
その悩みを解決する制度がこの自立支援教育訓練給付金制度です。
母子(父子)家庭の特別対策制度です。
平成29年度の時点で自治体実施率は、94.5%でした。100%ではないのでこの制度を利用する場合は自分の住む自治体が給付金制度を導入しているか確認が必要です。
- 児童扶養手当受給者または同等の所得水準にあること
- 就職経験、技能、資格の取得状況などから判断して当該教育訓練を受けることが適職位に就くために必要であると認められこと
- 雇用保険法による教育訓練の受給資格を有してない人(雇用保険非加入者)
- 過去に給付金を受給していないこと
対象講座の受講料の6割相当額、上限20万円まで給付できます。受講料が12,000円を超えない場合は支給対象外となります。
事前相談件数:5,224件
受講開始件数:2,936件
支給件数:1,965件
※平成30年12月25日 厚生労働省「平成29年度 母子家庭の母及び父子家庭の父の自立支援施策の実施状況」より
まだまだ認知されていないためか、支給件数は低いです。
下記の教育訓練給付金制度と同様ですので下記をご参照ください。
資格取得支援:教育訓練給付金制度
この制度は、一定の条件を満たす雇用保険の在職者または離職者が厚生労働大臣の指定を受けた学校で訓練(講義)を自己負担で受講した時に、掛かった経費の一部について給付金の支給が受けられる制度です。
平成26年10月1日から給付内容が拡充し、「一般教育訓練給付金」と「専門実践教育給付金」の2本立てとなりました。
また、専門実践教育給付金を受給している方のうち、一定の条件を満たした方が失業状態にある場合は、さらに教育訓練支援給付金を受給することができます。
一般教育訓練給付金
在職者(雇用保険の被保険者)または雇用保険の被保険者ではなくなった(辞めた)日から1年以内の者で、さらに雇用保険の被保険者期間’(支給要件期間)が3年以上(初回に限り1年以上)の者が対象です。
被保険者期間(支給要件期間)とは、被保険者として雇用されていた期間です。
該当者が教育訓練施設に支払った経費の20%に相当する額が支給されます。
支給額の上限は10万円で、教育訓練経費が4千円を超えない場合は支給対象外となります。
情報処理技術者資格、簿記検定、訪問介護員、社会保険労務士資格などを目指す講座などです。
厚生労働大臣の指定を受けている講座(学校)の一覧、ハローワークまたは下記のHPで確認できます。
専門実践教育給付金
在職者(雇用保険の被保険者)または雇用保険の被保険者ではなくなった(辞めた)日から1年以内の者で、さらに雇用保険の被保険者期間(支給要件期間)が3年以上(初回に限り2年以上)の者が対象です。
該当者が教育訓練施設に支払った経費の50%に相当する額が支給されます。
支給額の上限は年間上限40万円で、給付期間は原則2年(資格取得につながる場合は最大3年)。
4千円を超えない受講料の場合は、支給対象外になります。
6か月ごとに支給されます。
現在は以前よりも給付額が増えて、国のバックアップが手厚くなっています。
専門実践教育訓練の終了日から1年以内に、資格を取得して就職できた場合さらに受講料の20%の追加支給ができ合計70%(上限年間16万円)給付することができます。
厚生労働大臣の指定を受けている講座(学校)は下記から確認できます。
対象となる講座は6種類あります。
- 業務独占資格・名称独占資格の取得を訓練目標とする養成施設の過程
- 専門学校の職業実践専門課程
- 専門職大学院
- 職業実践力育成プログラム
- 一定レベル以上の情報通信技術に関する資格取得を目標とする過程
- 第四次産業革命スキル習得講座
~対象となる業務独占資格~(訓練期間は原則1年以上3年以内です)
~対象となる名称独占資格~(訓練期間は原則1年以上3年以内です)
2~6についてはマイナーな資格なので省略します。
詳細は一覧に掲載されていますので興味のある方はのぞいてみてください。
専門実践教育訓練での教育訓練支援給付金制度
この制度を利用する場合、雇用保険加入者は対象外です。失業中の雇用保険非加入者が対象となります。この制度は令和4年3月31日までの時限措置となっています。
その他の条件です。
- 専門実践教育訓練を修了する見込みがあること
- 受講開始時に45歳未満であること
- 受講する専門実践教育訓練が通信制または夜間せいではないこと
などが挙げられます。詳細は給付金のご案内ページで確認できます。
原則として、離職される直前の6ヶ月間に支払われた賃金額から算出された基本手当の日額に相当する額の80%になります。
例えば、1カ月150,000円の手取りだった場合は、日額4,000円となります。(あくまで例です)
例:150,000×6カ月(180日)=900,000円
900,000円÷180日=5,000円
5,000円×80%=4,000円
資格取得支援:高等職業訓練促進給付金制度
1年以上養成期間で修学する場合に、修業全期間(上限3年)について生活費を受給できる制度です。
- 児童扶養手当受給者または同等の所得水準にあること
- 養成機関で1年以上修学し、資格取得が見込めること
- 仕事または育児と修学の両立が困難であること
- 過去に給付金を受給していないこと
②に書いてあるとおり、”1年以上修学”していることが条件なので、初期費用は自分で用意する必要があります。
なので領収書はとっておきましょう。
初期費用を用意するための方法として貸付制度がありますので後にご紹介します。
※私のすんでいる市内の場合です。
※各市町村によって対象資格は異なる場合がありますので確認が必要です。
月額7万500円~10万円を給付でき、最長4年間この制度を利用することができます。
※平成31年度より最大3年→4年に拡充。
市民税課税世帯 | 月額70,500円 |
市民税非課税世帯 | 月額100,000円 |
修業期間の全期間が対象となります。
平成31年度より、修学の最終年限1年間に限り支給額を4万円加算されることになりました。
市民税課税世帯 | 月額110,500円 |
市民税非課税世帯 | 月額140,000円 |
最後の1年間は月額110,500~140,000円受給できます。
高等職業訓練促進給付金とは別に、高等職業訓練修了給付金というものが資格を取得した後に支給される給付金もあります。(私の住んでいる市のHPには記載がなかったです…)
市民税課税世帯 | 50,000円 |
市民税非課税世帯 | 25,000円 |
申請をする前に役所で事前相談が必要になりますので必ず各自治体の役所へ問い合わせをして下さい。
対象資格以外にも、各自治体の長が必要と認める資格は受給対象に入るので自分が目指したい資格があれば、一度相談してみると良いでしょう。
支給開始は、申請した翌月となります。
申し込みのタイミングも窓口で確認が必要です。
厚生労働省のHPに給付実績が記載してありました。
- 総支給件数:7,312件
- 資格取得者数:2,585人
(看護師989人 准看護師1,154人 保育士132人 介護福祉士43人など)
- 就職者数:1,993人
(看護師873人 准看護師765人 保育士111人 介護福祉士31人など)
※平成31年4月 厚生労働省「ひとり親家庭の支援について」より
圧倒的に看護師が多いですね。
その理由はやはり自立できるだけの収入があるからです。
個人的には、一緒に働いている作業療法士や理学療法士も魅力的な仕事だと思います。
看護師には収入では負けますが、職場で理学療法士や作業療法士の方を見てると”やりがい”は大きく見えます。
リハビリをして患者さんが歩けなかったのが歩けるようになったり、麻痺で出来なかったことが出来るようになったりと成果が目に見えるのでやりがいが手に取るようにわかります。
そして何より患者さんから直接「ありがとう」と感謝の言葉を聞けるので羨ましいです。笑
ひとり親家庭高等職業訓練促進資金貸付事業
高等職業訓練給付金を受給している方に限りこの制度を利用できます。養成機関に入学するときに入学準備金として50万円を貸付でき、養成機関修了後、資格取得した場合就職準備金として20万円を無利子で貸付できます。(保証人がいなければ有利子)
また、取得した資格を活かして1年以内に貸付を受けた当道府県区域内で就職し5年間引き続き勤めたら、貸付金の返還が免除されます。
入学準備金:1,977件
就職準備金:821件
※平成31年4月 厚生労働省「ひとり親家庭の支援について」より
資格取得支援:母子寡婦福祉貸付制度
上記の給付だけでは不足する、これでは生活できない!という場合は、返済義務はありますが母子寡婦福祉貸付金制度を利用することで無利子で生活資金と学費を借りることができます。
母子寡婦福祉貸付制度の資金の種類は以下のものがあります。
資格を取得するために、高等職業訓練促進給付金に加えて上記の貸付(技能習得資金+生活資金)を利用すれば、生活の不安を解消できます。
先に述べた初期費用もこの貸付を利用すれば用意できます。
少し道が開けた気がしませんか?
意外と知られていないシングルマザーの支援制度がけっこうあるなって感じませんか?
離婚を考えているのであれば諦めず、様々な制度をうまく利用して自由な生活を手に入れましょう。
シングルマザーが資格取得するための5つの支援のまとめ
受講料を支援をしてくれる制度
- 自立支援教育訓練給付金制度
- 教育訓練給付金制度(一般教育訓練給付金・専門実践教育訓練給付金)
- 教育訓練支援給付金制度
- 高等職業訓練促進給付金制度
- 母子寡婦福祉貸付制度
ポイントになるのは、雇用保険の加入者か非加入者(または加入して2年未満の方)かによってどの制度を利用するかが決まります。
仕事の経験がない、働いてまだ2年未満の方
- 自立支援教育訓練給付金制度
- 高等職業訓練促進給付金制度 または 教育訓練支援給付金制度
雇用保険に2年以上加入している方
- 教育訓練給付金制度(一般教育訓練給付金・専門実践教育訓練給付金)
- 教育訓練支援給付金制度 または 高等職業訓練促進給付金制度
生活支援は有利な方を選択できます。
シングルマザーが取得できる資格の年収はいくら?
では、取得した資格でどれくらいの収入があるか収入情報を上記の図を見て下さい。
圧倒的に看護師の年収がいいです。それだけハードワークであることは間違いないです。
私は管理栄養士なので、この表と似たりよったりな年収です。
実家に住んでいるのでなんとか生活できる年収です。
資格取得の支援~番外編~
私の職場でのケースをひとつご紹介します。
私の職場では、准看護師を目指して午前中は看護助手として仕事をして午後から学校に通っている方が毎年数名います。
その方達の学費は、市内の医師会が免除しているので本人は学費が掛りません。
その変わり、現在看護助手として働いている病院に准看護師として数年働くことが条件となっています。
とても美味しい話だなと思いながら教えて頂きました。
ですが、准看護師が受かって他の職場に移る方もやはりいます。
その人達は、全額学費を返還する必要があります。
医師会の免除が大きいので、生活にはそれほど困らないと聞いています。
午前中病院で働くのでその分の給料も発生します。
各市内に私の職場のように看護師養成の制度があると思うので、准看護師に限りますがこの方法を取り入れて資格を手に入れるのも良いでしょう。
シングルマザーが資格を取得するための支援を最大限活用しよう
離婚を意識してもなかなか踏み出せない原因のひとつが「生活していくだけのお金がない」ことが一番の壁だと思います。私もそうでした。
その大きな壁を壊すにはなかなか勇気がいると思いますが、今の苦しい生活を抜け出すにはまず一歩踏み出すことが重要です。
その一歩を踏み出せばあとは前進するのみです。
現在シングルマザーは106万人もいます。(2015年国勢調査より)
要約するに50人に1人がシングルマザーです。
数字で見るとけっこういますよね。
シングルマザーの仲間は沢山います。
シングルマザーはまだまだ風当たりも強く大変なこともありますが頑張った分、自分にプラスになって必ず戻ってきます。
頑張りましょう!
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